ヒモノオンナができるまで〜10年の恋愛怨念雨模様・ミラノ風味3〜
ヒモノオンナのHANAHANAです。
【前回までのあらすじ】
カレシの親友は浮気相手でした。
シンプルになっちゃったけどこの1文が後でまるっと意味合いが激変します。乞うご期待!!(ヤケクソ)
続きを進める前にちょっと補足などを。
当時、まだヒモノまで行かないまでも大分干からびた状態だったワタシは、それでもオトコと出会ってから必死になってオンナ磨きというものに精を出しておりました。
ろくにやったこともなかった化粧も研究し、
オトコが好みのファッションに身を固め、
(今思うとこの歳で女子高生みたいな格好はどうかと思うんがけどさ)
髪を伸ばし、
ふんわり乙女を目指して日々鏡の前に立ってた。
この時のワタシはきっとちゃんと女子してました。
人を愛するとこんなにもオンナノコになれるんだ!!と感動すらしていました。
この時の頑張りが今も続いていたらヒモノなどにはならなかったのかもしれない…ぐぬぬ…。
さて本題。
一向に仕事につかず、自分との結婚に明確な回答を出さないオトコに業を煮やしていたワタシでしたが、
「親友」なる謎の人物としょっちゅう出かけて音信不通になる日々にいい加減ブチ切れそうでした。
10年待った。
出会った時は20代前半という一番ピチピチしてただろう時期だったワタシも今ではすっかり酸いも甘いも知ってしまった中年。
どこからか湧いたその親友とやらにかまけている場合か!
ここらでひとつケリを付けなければならぬ、と。
この頃になるとオトコとの口論は絶えず、ワタシは慢性的な不眠に陥り体重が10キロ近く激減するという有様でした。
ケリを付けなければリアルで死ぬんじゃないかってくらいに追い詰められていたのです。
その一番の原因がオトコの「親友」の存在で。
でも、今なら考えられないのですが、その「親友」とやらが浮気相手だったとしても、ワタシにオトコと即座に別れるという選択肢がありませんでした。
なんだかんだで相手のこと、結婚したいくらいには愛していたのだから…。
別れるとしてもこのまま宙ぶらりんでいるわけにはいかぬ。
そこでワタシは、最後の賭けにでたのでした。
当時、ワタシの誕生日が間近に迫っておりました。
その日を経てワタシの年齢は大台に乗ります。
節目を目前にして、ワタシはオトコに告げました。
「ワタシの誕生日までに、結婚するか別れるか選べ。もう先延ばしは許さぬ」
その姿はまるでどっかの武将のようだったことでしょう。
実際痩せやつれて目の下にクマを作った鬼気迫る表情でオトコに詰め寄っていたのですから、彼はさすがにいろいろと危機を感じたのでしょう。
分かった、と首を縦に振ってくれました。
期限は、あと10日。
それからは怒涛の日々でした。
ワタシは結婚に備えて自分の持ち物の整理をはじめました。
いつでも嫁げるようにと、オトコが好んだファッションやアクセサリー、化粧道具などをダンボールに詰め、
ゼク●ィを買い、
ブライダルエステを予約し、
オトコの所在地周辺で二人で住めそうな物件をググったりしておりました。
あの宣言は、オトコが動かないのなら自分が動くしかない!と決死の覚悟を決めた瞬間でもあったのです。
生活力のないオトコを支えるために仕事を掛け持ちしてでもなんとかしたる!ワタシが養ったる!くらいの意気込みでした。
ゴールは目前と信じ、あの時の自分は女子力全開できっとギラギラに輝いていたでしょう。
そんな感じでワタシが忙しく飛び回っている感、オトコからの連絡がパタリと止まりました。
もう嫌な予感マックスです。
あの野郎、逃げやがったのか!?と焦るのですが、しかし10日の期限を申し付けた手前、彼も色々考える時間がほしいのだろうと無理やり納得し、時を待つことにしました。
不安と苛立ちから不眠症は激化し、まともに歩くこともできなくなりつつあったワタシにとって、その10日の期限が命の期限でもあったのです。
そして期限の前日。
ワタシはオトコに一本のメールを打ちました。
明日の午前0時、結論を聞くから必ず電話して、と。
やや間があり、宣言の日から初めてオトコからメールが戻ってきました。
短く「わかった」とだけでしたが、それで十分でした。
10年分の恋愛の終着点は、結婚か離別のどちらかしかない。
この戦いに決着をつけよう。
ワタシは午前0時のはるか前、それこそTVで鉄腕DA●Hが放映されてただろう時間帯から携帯の前にスタンバっておりました。
不安で涙が止まりません。
でも自分には勝算もありました。
10年ともに過ごしてきた時間はきっと裏切らないはずだ。
だってあんなにもワタシたちは愛し愛されたじゃないか。
たとえ「親友」が浮気相手だったとしても、きっとオトコはワタシを選んでくれるはず。
今思うとこの時の自分は人生最大に女性ホルモン発揮してたに違いありません。
多分、ここで使い果たしたんだろうとハンカチを噛み締めながら悔やむ次第です。ぐぬぬ。
ー…そして
運命ノ時、来タレリ。
柱時計が重苦しく12の鐘を打ち鳴らします。
午前0時。
ワタシは姿勢を正し、携帯の前に座しました。
さあこい。
今日、必ずやお前に嫁いでやろう。
これから迫りくる怒涛の展開に、この時ワタシは気がついてなかったのであった…。
続きは次回!
HANAHANAでした。